セルフリファレンスエンジン
Self-Reference ENGINE (ハヤカワ文庫JA)
- 作者: 円城塔
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/02/10
- メディア: 文庫
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SF好きだけど文学好きではないので、豊富な表現は軽く想像の邪魔になったなー。流石に、すべての行の次行に比喩の行をくっつける必要はないのではないかな…。
古典ではないハードSFを久々に読んだ気がするが(クオンタムファミリーズがあったか)、もう純粋数学や基礎物理にしかSFの余白がないのかと思うと寂しさや残念さを感じないでもない。(まあ、お約束の再生産をするよりは、大分マシなのかもしらんが)
思考実験みたいな物は、宇宙船と違って「私の頭」では夢想することが困難だし、それが作者によって「小説」に落とされてイメージ化(比喩化)されても、やはりピンとこない、勘違いや、だまされている気がする。さらにそれが文学的表現であれば勿論悪化する。
結果として、わからぬところを避けてすいすいと読むと、中心に布がかぶせてあるドラマになってしまう。そして、自分は人間ドラマにさほど興味はない。
あれ、なんだ自分の頭が足りてないという話かこの感想は。まあ大体合っているが。
とりあえず、次は虐殺器官の予定。