新・Webデザインワークフローを読んだ
先日キノトロープネタ(正しくは、名前をひっぱりだしただけだが)をやって(http://d.hatena.ne.jp/uzulla/20081029#p2)、コメントで「この無知が!Webデザインワークフローでも読め!」と怒られたので早速読んでみた。
確かにウェブ制作をシステマチックにやるという事に関し、結構考えているなーという印象。
そして、今までに色々なウェブ制作会社さんのプレゼンをみたけど、これが元か!とか思う資料がいくつも。*1
たしかにこうやって体系づけて、本にする程に理路整然と考えているってのはすごいね。
でも、これをよんでも「サイト制作会社」に関する自分の印象は大きくはひっくりかえらないなー。本だけではキノトの実際が解らないという事もあるのだが…。
手戻りするフェーズは現実として有り、それに対して別に合意で保険をはっていく、という手法は取り立てて新しく無い。(話は変わるが合意すべきウェイポイントを一覧しているという意味でこの本はすばらしいとおもう。まあ、システム的なウェイポイントはまったくないので、これで全部だ!と思うとダメだろうが)
お客さんと合意がとれたら手戻りがゼロに!、という事は現実にはないし*2、それは「させないテク」ではあるけれど。そこまでお客さんに「厳しい」立場をとれるウェブ制作会社はあんまり無いと思う(タカビーだから大丈夫って?)。
後、プログラミングやテスト、(システムの)要件定義という物に関しては「一応図に書いてある」という感じであり、まあやっぱりデザイナー中心の制作会社さんだなー。
多分、この本を読んだ人なら、一応隣に開発人(や会社)をつれてきて「システムはこいつに話して下さい」ってぶん投げるか、自分がまとめた資料を渡して「この通りにつくれ」という事になるだろう。これは典型的なウェブ制作者のフローである。
このフローではPGが「これ実用上まずいっすよ」と発言しても上に上らないだろう。
ま、この本のターゲットとしている読者に開発者が入っていないだけだったり、本当のキノトさん自体は違い、あえてそこを書かず自社を差別化してるって事も当然もあるだろう。
それに「新」と「無印」で内容が違うのかもしれない。
結論として「これを書いた会社だからECサイトやらせて大丈夫!」とは読めなかった、残念ながら。*3
勿論、キノトの実力(実際)をこの本一つで評価するつもりではないし、先日お叱りを受けたエントリの正当性を主張するわけでもなく。ECサイトとかもやる現場の人間から見て、この本は物足りないなーと思った。
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でも、この本自体はとても良い本だと思うね。
本の文中には
「出版にはワークフローなんてない、と編集の人は言う。成熟した産業ではルールや単語の意味や思考が一定していて、フローはみんな体で覚えている。
翻ってWEBは未成熟で、皆の知識や思考はバラバラ、ルールは確立されていなく、フローはめいめい」(意訳)
といったような事が書いてある。これは私も実感する。
「初心者*4でなくとも」、まずウェブ作成のワークフローを「俺(自社)ルール*5で」ゼロからすべて教えるか、意識をそろえないと、スムーズに事は進まない。
この本の狙い通り、そういった「俺フロー」と、この本のそれを置換するのには悪くないと思った*6。
今度お客さんと、奥さんに読ませてみよう*7。